キャリアコンサルタント 上田晶美先生のコラムです。 

   第8回 クレッシェンド計画
   第7回 リハビリと言わず、ウォーミングアップと言おう!
   第6回 子どもの留守番
   第5回 希望を口に出してみよう
   第4回 外圧に耐える
   第3回 当事者意識を育てる
   第2回 一歩踏み出せば世界が広がる!
   第1回 焦らないで!若いママ
      
    第8回 クレッシェンド計画
PROFILE

 上田 晶美 (うえだ あけみ)
  ハナマルキャリアコンサルタント 代表
  CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)
   http://home.catv.ne.jp/ff/hanamaru/
   ブログ http://hanamaru40.at.webry.info/

  1983年  早稲田大学教育学部卒業
   同年    流通企業に入社し12年間勤務。
  1994年  出産を機に退社。
   同年    ハナマルキャリアコンサルタント設立。 

 大学生の就職、社会人の転職、主婦向けの再就職の講演、執筆などを手がける。
年間約100講演。私生活では、二男一女の母。山口県出身

★著書17冊 「ママも今日から働くワ!――主婦の再就職講座」(日経新聞出版社刊) など  
★ BIGLOBEで仕事のコラムと仕事の悩み相談担当中  http://career.biglobe.ne.jp/consultant
                                       

     
 再就職を希望する主婦Sさんの例をご紹介しよう。
 Sさんは公益団体の仕事を希望していた。
 「何か人の役に立っている、社会の役に立っているということを実感できる仕事がしたいと思って」
 Sさんのお子さんはまだ小学校低学年。できれば4時には家に帰っていられる仕事と思っている。ある公益団体の面接を受けたが「短時間勤務では採用できない」と断られた。
 そこでSさんはまずは短時間で勤務できる派遣の仕事をはじめることにした。事務の仕事だったが、これをウォーミングアップとして、2年後には再度、公益法人に面接に行くつもりだという。
 希望の公益団体での仕事で短時間勤務の仕事があればいうことはないのだが、そううまくいかないものだ。広い範囲で探すという手もあるが通勤時間が長くなり、4時には家に帰り着きたいSさんにとっては、ますます難しくなってくる。
 こうして少し希望とは違っても少しずつ働きはじめてみるのがウォーミングアップになる。これが私がお勧めする「クレッシェンド計画」だ。無理しすぎず、短時間勤務からだんだん仕事を増やしていく。子どもが大きくなるのに合わせて、時間も増やすし、内容もできるだけやりたいことに近づいていければ最高だ。それが収入面においても収入増と、すべてがクレッシェンド(だんだん大きく)となっていけばいい。
 公益団体の仕事というのは、人気があり、応募者が多い。その面接でアピールする時に短時間勤務の経験を話せば
主婦からいきなりという人よりも一歩リードできるというものだ。
 すぐに理想的な仕事に就くことは難しい場合もある。けれど諦めないで!少しずつウォーミングアップからでもはじめてみてほしい。その一歩が確実にあなたの世界を変えてくれるはずだ。




                
 
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    第7回 リハビリと言わず、ウォーミングアップと言おう!
 「再就職にあたって、まずは仕事の勘を取り戻すために、
リハビリと思って短時間の派遣の仕事をはじめました。子どもにも保育園生活に慣れてほしいので」
 ある30代後半の主婦の方の言葉だ。
 ちょっと待って!
 仕事のはじめ方としてはいいのだけれど、「リハビリ」と言うのは止めましょう! 「リハビリ」では、病気でもしていたかのよう。せめて「ウォーミングアップ」と言っては、どうでしょうか?本格的に仕事をはじめるまでの肩ならし。それは「ウォーミングアップ」でしょ?
 実は私も以前はあまり考えもせず、「リハビリ」と言っていたが、最近では気をつけて「ウォーミングアップ」と言っている。仕事をしていないブランクの間を、そんなネガティブにとらえることはないはずだ。
 その「ブランク」というのも、どうかと思う。確かに、履歴書に書くキャリアは白紙なわけだが、その間、育児や家事という重要な、且つクリエイティブな仕事をしてきたのに。言い換えるうまい言葉が見つからないので、「キャリアブランク」と言ったりしている。
 「ブランクが長いですね」なんて、面接のとき、人事によく言わる。そう言われると悪いことでもしていたみたい、なんとなくシュンとしてしまう。そんな!主婦をしていたことは後ろめたいことじゃないはず!「ブランク=空白」という言葉の捉え方には、いつも考えさせられる。
 同様に、言葉のことで日ごろよく講座でも気を使うのが「ご主人」という言い方。「主人」と言ったら「家来」がいるの?ということになる。「だんな様」でも同じ。これも言い換えが難しく、私はみなさんにお断りした上で「夫の方」なんて言っている。変な日本語だが、他に思いつかない。夫婦の立場は平等なはずなのに、どうもしっくりくる言葉がないのは残念だ。みなさん、何かいい呼び方、ありませんか?

 
 
                 
 
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    第6回 子どもの留守番
          
 冬になると悲惨な火事のニユースを聞いて心が痛む。子どもだけを家に残して、母親がパチンコに出かけた間に家が全焼してしまったというもの。取り返しのつかないこんな事故に「なぜ?」と悔しい気持ちになる。なぜ誰かに預けて行けないのか。小さい子どもだけで留守番させてしまうのか。
 預けるところなど簡単にはないことはわかる。あったとしても、預ける金銭的な余裕はないのかもしれない。そうなると、「貧困問題」ともいえる。
 それでも預けてほしかった!パチンコをして悪いとは言わないが、子どもの安全を無視してしまうほどの魔力があり、おぼれてしまうようなら問題だ。夏場にも、パチンコ屋の駐車場に車を停め、子どもをその中に置き去りにして熱中症で死なせてしまうという事故も後を絶たない。
 アメリカでは、子どもだけで留守番させることも虐待の一環として、罪になる。子どもの安全について、まだまだ日本は意識が低い。
 だが「子どもは母親が24時間見ていて当然」という意識が強いことが日本の子育て事情の元凶なのではないか。女性にだけ、家事育児を押し付けておいて、事故があると非難ごうごうというのは、不公平な話だ。
 前回書いたように、美容院や歯医者には託児つきのところも出てきた。同じように、託児つきの遊技場もあればいいのか。
 それよりも、まずは働きましょう! 楽ではないが、子どもを預けて働くことが、貧困をなくし、母親の外に出たいという欲求不満をも解消してくれる。それが子どもを置き去りにしない、子どもの安全につながるように祈りたい。
 しかし、働くことで、子どもを留守番させることも出てくる。急な仕事で帰りが遅くなるとき、私も少しの間だが、子どもだけで留守番させることがある。我が家は「火」を使わないようにしている。ストーブは使わず、エアコンで暖める。おなかがすいたら「冷凍もの」をレンジで「チン」して食べるように用意しておく。
 それ以外にもいろいろと決まりを作ってある。もしも来客があっても、ドアを開けない。宅急便でも絶対に。
「ドアを開けるときは合言葉を言わなくてはダメ」というのは、子どもたちが作った決まりだ。こうして子どもたちも楽しく待っていてくれる。
 各家でいろいろと工夫して、子どもの安全を守っていきましょう。

 
 

                
 
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    第5回 希望を口に出してみよう
          
 「日曜日に子どもを夫に預けて美容院に行きたい、となかなか言えずに悩んでいました。何週間も考えて勇気を出してようやく言ったら、『そんなこと、早く言ったらよかったのに』と意外に簡単に引き受けてくれてほっとしました」
 若いママの言葉だ。そんなに夫に遠慮するなんて!「夫に預ける」というのも変な表現だと以前のコラムにも書いたが、夫婦二人の子どものはず。責任は二人に均等にあるのだから、休日くらい子どもを見てもらっても悪くないと思うが。
 また、あるシニアの男性は「嫁は孫を連れて遊びに来るとすぐに孫を預けて一人で買い物に行く」と嘆いていた。「一人で買い物する時間がとれないママの現実」を話すと「そんなものですか」と納得していた。
 男性には、妻や嫁が子どもにつきっきりでいることの不自由さがなかなかわからない。「働かずに家でのんびりしているのだから、いいだろう。うらやましい」くらいにしか思えないのだ。
 確かに外で働くことは大変だ。しかし、一人で外に出られない不自由さも長く続けばつらいものだ。子どもづれは、はなはだしく行動が制限される。子どもをつれて外に出ることにどれだけ心配や遠慮や不便がつきまとうか。買い物も食事も、美容院も医者も。
 例えば、駅の階段をベビーカーを抱えて上がること一つとってもどんなに大変か。昔よりはよくなったと思うが、まだまだ子どもづれでは行けないところだらけだ。
 「不」を解消するための運動も大切だが、まずはそれを身近な人に話すことだろう。自分の希望を口に出してみると、誤解も解けるし、「そんなことか」と意外と簡単に前に進むかもしれない。相談してみることだ。きっと歩み寄れるはず。
 子連れの不自由さを解消したいから、外に出て働きたいというママもいる。それもわかる。だが、働くことですべてがバラ色になるというほど甘くはない。子どもを預けて働くことは決して楽ではないから。働き始めると男性陣の大変さもまたわかるようになる。
 
 
 

                
 
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   第4回 外圧に耐える
          
 「『働きたい』と言ったら、母に『孫がかわいそう』とすごく反対されてしまいました。母に言われると、『そうかなー』って思ってしまって」
 ある働きたいママたちの相談会での30代前半のママからの発言だ。
 自分の母は「子育て経験者」としての先輩でもある。その意見は無視することはできない。
 他の参加者の多くが大きくうなずき、「私も姑にそう言われた」という同様の意見が出た。
 働きたい気持ちはあっても、なかなか周りの賛成、協力を得られないということはよくある。「外圧」である。実の父母だけでなく、義父母となると、より複雑だ。
 子育てに関するそれぞれの考え方というのは、自分の育った環境や経験によって大きく左右されるものだ。人生は一度しかないので、働きながら子育てすることと、働かないで子育てすることの両方を経験することはできない。比較することは難しいので、どうしても自分の経験を優先してアドバイスしてしまいがちだ。祖父母の場合は孫のかわいさから、「孫があわれに思える」という気持ちも、わかる気がする。
 しかし、こういう意見も出た。
 「私も母に反対されて育児休業から復帰できなかったけれど、とても後悔しています。今は、始終子どもをつれて母のところに里帰りしているので母は孫と遊べて幸せそう。実は『保育園に行っていたら頻繁に会えなくなるから、反対したのでは?』と思っています。結局、アドバイスではなく母のエゴだったのかもしれないと」
 手厳しい気もするが、それもあるかもしれない。だったら孫をすっかり預かってくれればいいのでは?と思うが、体力的に難しいし、シニアの方にも他にやりたいことがある。みんなのエゴのぶつかりあい。どうしたらいいのだろうか?
 子どもが一番大切なのは、もちろんのことだ。それにはママ自身が子育てに前向きでいられるような精神状態を確保することも大切ではないだろうか。子どものそばにいても、一人で背負い込んで子育てだけの生活に行き詰まり、「育児ノイローゼ」になっては元も子もない。
 祖父母の世代とは、おかれている状況が違う。年末にかけて、ますます経済は不安定。働きたいというママは増えている。
 じっくりと本音で話し合ってみること。それしかないのではないかと思う。
 
  
 
                
 
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   第3回 当事者意識を育てる 
      
 「『育児に協力的な夫』って、変な表現だと思う。『夫の育児参加』なんてエーッ?って感じ。育児は母親が担当で、夫はそれを手伝うサブ担当ということ?夫も当事者のはずなのに。誰の子どもなの?と言いたくなる」
 あるワーキングマザーの集まりで、Fさん(30代)がそう言って憤慨していた。確かに!私もよくそれを感じる。「日曜日のパパは家族サービスでヘトヘト」なんてマスコミの見出しを見ると全くいやになる。家族へのサービスって? 自分は家族の一員じゃないみたいだ。
 夫との家事、育児の分担は、働く働かないは別としても、どこの家庭でも論争のタネである。悩みは共通だ。専業主婦は、家事は専業かもしれないが、育児はその限りではないと思うのだが。
 「夫が休みの日に『オムツ濡れてるよー!』なんて私を呼ぶ。『自分で換えて!』とキレそうになりました」と別のママは言っていた。全く同感だ。
 協力や参加や手伝いや、ましてやサービスでなく、家事育児に当事者意識を持つ。どうしたら、男性にそれを促せるのか。
 個々の家庭の事情が違うとは思う。それに合わせて、少しずつ、爆発したり、キレたりしながらも、その都度、話し合っていくしかないのではないだろうか。できれば感情的にならない方がいいのだが。お互いの立場を思いやった上で。
 男性によっては、家事や育児は「やり方がわからない」という人もいるようだ。そこは辛抱強く、一から教えていこう。うまくできなくてもイライラせず、子どもに家事を教えるように。そして、できばえをほめていく。
 「すごく上手ねー。助かるわー」その一言。ただである。言って損はない。おまけに「仕事だけでなく、家事も育児もできるなんて、本当にすごいわ。頼りになるわー」と付け加えれば、きっとまんざらでもないはずだ。(わざとらしくならないように言い方を工夫してください)
 あるワーキングマザーの人は夫に家事のやり方を教えることについてこう言っていた。「もしも私が先に体が不自由になったら、夫に介護してもらわなくてはならない。そのときのためにも!」だそうだ。すごい!そこまでは思いつかなかった。
 夫はほめて、ほめて!家事、育児の当事者意識を育てていきたい。



                  

 
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    第2回 一歩踏み出せば世界が広がる!

 
 「パートタイム派遣で保険会社で働くようになりました。週3日ですが、4時まで働いています。当然、ランチも同じ職場の派遣スタッフ同士数名で近くの店へ。そのときの話題は、家庭以外の話しです。これがママ歴10年の私にとっては、すごく新鮮!ママ同士のランチだと、どうしても家庭の話題が中心です。ところが、職場の仲間となると、ひとりの女性として、趣味の話や、過去の仕事の話などになります。『○○という会社はすごく待遇がよかったわよ』なんて教えてもらったり。一歩外に出ると世界は広がるし、仕事の情報も入るようになって、思わぬ副産物だったといえます。」
 N子さんは、そう教えてくれた。
 主婦としての毎日から一歩踏み出すこと。それは勇気のいることだ。社会勉強のつもりでいいのでは?自分の力がどのくらい通用するか試してみよう。はじめから理想的な仕事に就ける可能性は低いもの。再就職の第一歩はあまり大上段に構えずに、軽いウォーミングアップでいい。だんだんと理想に近づいていけばいいのではないだろうか?
 N子さんのように、その第一歩のおかげで、視野が広がることもある。職場というのは、仕事だけでなく、そういった人とのつながりが生まれる場所であり、情報が行き交う溜まり場なのだ。
 私自身、こんなこともあった。
 息子のけんかのことで悩んでいたとき、取引先の若い社長にこう言われた。「元気よくっていいじゃないですか!ぼくだって、中学生の頃はけんかばっかりしてましたよ。男の子はそんなもんですって。大丈夫、大丈夫!」
 それでもこんな立派な社長になれるのか!と感心し、少し安心した。私は姉妹だけだし、周囲にはけんかするような男性がいなかった。けれども職場に行けばいろいろな意見を聞くことができるというものだ。
 子育てに活かすため、または仕事の情報を得るために働こう!というつもりはないが、そんな副産物もある。ぜひ、一歩踏み出してみましょう!世界が広がりますよ。



                  
         

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   第1回 焦らないで!若いママ
 
 「仕事を辞めたことに敗北感がありましたが、これからまたはじめればいいんだと、ようやく今の自分を肯定できました。」
 先日、主婦の再就職セミナーに参加してくださった方からいただいた感想だ。若いママだった。この気持ち、よくわかる。仕事を続けている友だちや、夫と比較して、自分だけが社会から取り残されていくような焦燥感。しかも育児は楽しいばかりではない。仕事とは勝手が違い、自分の努力だけではうまくいかないこともある。こんな毎日、いつまで続くのだろうか・・・。
 私は主婦の再就職を支援して10年あまりになる。私自身も3人の子どもを持つ母親だ。だから同じように子どもを持つ主婦のみなさんの「もやもや感」が手に取るようにわかる。子育ては楽しい。でもそれだけではなんとなく物足りない。仕事が好きな自分もいる。私はそこで会社員を辞め、フリーのキャリアコンサルタントに転身する道を選び、育児に軸足をおきながら、少しずつ仕事を拡大してきた。
 子どもはやがて大きくなっていき、嫌でも親離れしていくものだ。
 私の講座ではまず、「10年後の自分」を考えていただく。10年後、子どもは自分はどういう風になっているだろうか。子どもは何歳?中学何年生?もう一緒に外出することも少なくなっているだろう。
 実際、今年の夏休み、とうとう我が家の子どもたち3人(高校生と小学生)はそれぞれクラブ活動などの合宿に出かけて、誰も家にいない日ができた。とうとうこの日がきたかと、印象深い夏となった。
 子どもが親離れをはじめたら、親も子離れしなくてはならない。子育てに費やしていた時間を何に充てるか。趣味だけで暮らせる人は少ない。多くの人は仕事をはじめる。子育てに匹敵するくらいの充実感のある仕事ができるといい。そんな仕事はいきなりは見つからないから、少しずつ準備することをおすすめする。
 逆に言えば、いやでも働く日はまたやってくるのだから、子育てを思い切り楽しむ時期があってもいいのではないか。仕事をはじめる日は人それぞれだと思うが、準備をしておくことは大事だ。焦らず、今を楽しみながら10年後に備えてほしい。



                  

 
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