汗の治療でつらい悩みを解決!費用はいくらかかるのか?

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汗の治療でつらい悩みを解決!費用はいくらかかるのか?

吹き出るような酷い汗に悩む人は非常に多いです。

ひどい場合は、汗で水たまりができるといったケースもあるくらいです。そのような場合は、病院での治療が必要になってくる可能性があります。逆にそこまでひどくないという方は、日常生活の改善や汗対策グッズなどを活用することで、汗を止めることができるかもしれません。

今回は、そんな汗の深い悩みの治療方法や費用について紹介していきます。

手汗や脇汗がひどい場合は「多汗症」か「ワキガ」かも

自分は汗かきだなと思っている方!もしかしたらそれは多汗症という病気、もしくはワキガかもしれません。

実は、多汗症とワキガでも原因は違います。

多汗症の場合は主に温熱性発汗や味覚性発汗が原因でエクリン腺という汗腺から汗が発生します。

ワキガの場合は精神性発汗が原因でアポクリン腺という汗腺から汗が発生します。これらは汗のニオイも異なり、エクリン腺から発生する汗はいわゆるスポーツ後などの汗臭いニオイで、アポクリン腺から発生する汗は、卵が腐ったようなツーンとしてようなニオイです。

多汗症には全身に汗をかく全身性多汗症と体の一部に汗をかく局所多汗症の2つの種類に分けられます。特に多いのが、原発性局所多汗症といって、手汗、脇汗、顔汗、足汗などの部位で部分的にたくさんの汗をかく疾患で、仕事など日常生活にも支障をきたします。手汗の場合は「手汗多汗症」、脇汗の場合は「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」と呼ばれます。

例えば、手のひらの場合、軽度なら汗で手が湿る程度で、汗ばみはあまり分かりません。しかし、手のひらの汗ばみがはっきり見え、水滴が見えるになると中級レベルです。最も重症なレベルは、手のひらから汗がしたたり落ちる状態です。

一方の、ワキガはホルモンと密接な関係があります。思春期やストレスなどでホルモンバランスが崩れると、自律神経が乱れて皮脂腺を刺激します。その結果、分泌量が増加して、きついニオイを発するようになります。

ワキガ・多汗症の治療方法

①外用薬(塗り薬)

塩化アルミニウム液(外薬用)

塩化アルミニウムの水溶液を制汗剤として利用することがあります。

市販の塩化アルミニウムを配合した制汗剤もありますが、効果は一過性なので、継続的な使用が必要です。皮膚科などのクリニックでも処方してもらうことができます。

就寝前に汗が気になる部分に塗り、そのままの状態で一晩寝て、翌朝になったら石けんで手をよく洗い流します。また汗腺をふさぐことになるので、長期間の使用は控えましょう。

②内服薬(飲み薬)

薬物療法(プロバンサイン内服)

多汗症の薬の中で唯一認定され、病院でも治療薬として使われている「プロバンサイン」という神経系の薬で保険が適用されます。

服用後1時間程で効果があらわれ、全身の汗を抑えることができます。効果は5時間ほど継続されます。

ただし、全身に作用するため、頭痛や便秘、脈拍の増加などの副作用が出るリスクがあります。

③注射薬

ボツリヌス毒素注射(ボトックス注射)

ボトックス注射は、ボツリヌス菌がつくるタンパク質を薬として加工して使用しています。

軽度の症状の方向きのリーズナブルで手軽な治療方法で、傷跡も残りません。もともと日本でもまぶたや顔面けいれんなどの治療として使われてきたものなので、安心して使用できます。

効果は永続的ではなく約半年~1年位です。

手に注入することでエクリン汗腺の活動を抑制し汗の分泌を抑え、ニオイも軽減させてくれます。1回の治療時間は5分程なので日常生活に殆ど制限はありません。なお、保険が効く場合、自費診療の場合があります。

④手術

内視鏡手術(ETS手術)

内視鏡手術の胸腔鏡下交感神経節遮断術(ETS手術)は、皮膚に小さな傷をつけ、そこからカメラ付きの細い管を入れて患部を見ながら行う手術方法です。全身麻酔のため、痛みは感じることはありません。

手術時間は最短10分程度と短く、傷あとは目立ちません。手術日に1泊するケースもありますが、早ければ日帰り手術として当日に帰宅できて翌日から普段の生活に戻れます。健康保険の適用によって3割負担になるので、手術費用は7〜9万円ほどです。

術後は確実に汗は少なくなりますが、同時に体温を下げる効果がある発汗作用が減ります。そのため、個人差はありますが、内視鏡外科手術の副作用で首や顔などが暑く感じられるという患者さんも多いようです。

⑤その他

ミラドライ

ミラドライは傷を残さず汗の量もニオイの悩みも解決してくれる最新の治療法です。施術時間は30分程度で効果は半永久的です。マイクロ波を利用することで、皮膚へのダメージを抑え、汗の原因となるエクリン腺とアポクリン腺を熱で破壊します。 施術してから回復するまでのダウンタイムもほとんどなく、効果はわりとすぐに現れます。

イオントフォレーシス治療(ドライオニック)

欧米では最も有効かつ安全な治療として推奨されています。手のひらや腋、足の裏に微粒の電気を流し、15分間ほど浸して一時的に発汗を減らす治療法です。効果は期待できますが、即効性はありません。目安としては、週1回使用し、5~10回程度使って効果があるか判断します。汗が止まってからも2~3週間に1度は通院して様子を見なければなりません。

もし通院が難しいという方は、自宅でできるドライオニックという機械を使った治療方法もあります。ただし、妊婦やペースメーカーを装着している人などは、治療を受けられないので、注意してましょう。

星状神経節ブロック、胸部交感神経ブロック

星状神経節ブロック注射は、局所麻酔薬で頸部にある交感神経を繰り返しブロックすることで、さまざまな病気や症状を緩和させます。

健康保険が適用されるので、一回の自己負担額は1,000円前後と費用が安いです。ただし、効果を見るためには10回以上は少なくとも通わないといけないので、治療費の総額は数万円かかるので注意してください。また、治療効果は数か月程度しか持たないので継続して通わないといけません。

胸部交感神経ブロックは、効果が不確実な上、数ヶ月で再発してしまうため、現在では基本的に行われていないようです。

シェービング法

軽・中度の症状の方向きの治療方法で、傷が目立ちにくく短時間で施術が終わります。シェービング機もしくは吸引機を用いたレーザー治療で、ワキガなどのニオイの原因となあるアポクリン腺を取り除きます。傷跡は1cm程度なのでほとんど目立たず施術時間は1時間もかかりません。ただし、効果の持続性は1年以上で永続的ではありません。臭いや汗の程度が軽度な方やノースリーブや水着をよく着る方におすすめです。

完全摘出法

完全にニオイを取り除きたい重度な方向きの治療方法です。ニオイの原因であるエクリン腺、アポクリン腺の汗腺を直接医師が取り除くので、再発リスクがほとんどなく効果は半永久的です。ただし、傷口が4cm程度残るので、女性の方にはあまりおすすめできません。施術時間は120分ほどかかり、ダウンタイムは1週間ほどでう。

精神(心理)療法

手掌多汗症は、ストレスや緊張によって刺激されるものですが、汗をかく不安や恐怖心を抱くとさらに症状が悪化するケースもあります。

このような場合は、「精神(心理)療法」で不安や恐怖心を取り除いてあげると、症状が軽くなる可能性があります。

手掌多汗症の心身療法では、カウンセリングのほかに、「自律訓練法」という自己暗示によってリラックス状態を意識的に作り出すことで筋肉の緊張をほぐすトレーニング方法や精神安定剤による薬物療法があります。

治療費用はいくら?保険適用かチェック!

上記で紹介した5つの治療法の保険適用可否や治療費用の目安です。

治療法 保険適用 治療費(3割負担) 入院する場合(3割負担)
プロバンサイン 約1,000円程度
塩化アルミニウム 約2,000~3,000円
イオントフォレーシス 約1,000円~2,000円/1回
ボツリヌス毒素注射 約10万円前後
神経ブロック 約1,000~2,000円/1回
交感神経遮断術 約8~10万円 約10~12万円

どこで診察してもらえばいいの?

  • 皮膚科
  • 麻酔科(ペインクリニックを含む)
  • 形成外科
  • 美容整形外科(美容クリニック)

病院で診察してもらう場合は、主に上記の診療科でみてもらいます。どこで診察したらいいかわからないという方は、まず皮膚科に行きましょう。ただし、多汗症やワキガの治療はすべての医療機関で行われているわけではありませんので、事前に確認してから行きましょう。

もしもメンタルが原因の場合は、精神科や心療内科を受診するといいでしょう。

治療の前にまずは自分できる対策から!

汗の悩みは、ビジネスやデートなどの対人関係にも影響してしまいますよね。

尋常じゃない量の汗が急に出てくる場合は、病気の可能性が高ですが、軽度の汗であれば、まずは自分でできる制汗剤などの対策から始めてみましょう。

少しでも汗を抑えることができれば心もすっと軽くなりますし、ストレスやコンプレックスもなくなるはずですよ。

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